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20代で3回転職した私が、2回目の失敗から学んだ判断基準

3社目の退職日、私物を段ボールに詰めながら考えていたのは「またか」でした。

20代で3回目の退職。履歴書の職歴欄はすでに4行。次の面接で「転職回数、多いですね」と言われるのは確定です。実際、マイナビの調査(2025年版)では、20代の応募者が転職3回以上だと66.4%の企業が採用をためらうと答えています。

それでも先に結論を書くと、私は3回目の転職がいちばんうまくいきました。年収も、仕事の内容も、働き方も。理由ははっきりしていて、2回目の転職で盛大に失敗して、判断基準を持ったからです。

この記事は、その失敗の中身と、そこから作った判断基準の話です。いま「辞めたい」と思いながらこのページを開いた人に、たぶんいちばん役に立つ形で書きます。


2回目の転職で、何を間違えたか

1回目の転職は、まあまあでした。仕事内容を変えたくて動き、狙い通りの職種に就けた。問題は2回目です。

2社目を辞めた理由は、突き詰めると「上司が嫌い」でした。毎週の詰め方がきつい。手柄は上に、責任は下に。辞める理由としては十分に思えたし、当時の私は「環境を変えれば解決する」と信じていました。

で、3社目。入って3ヶ月で気づきました。ここにも合わない上司はいる。

タイプは違えど、理不尽さの総量はそう変わらない。あのとき私が本当に解決すべきだったのは「上司との距離の取り方」や「評価される成果の出し方」で、それは会社を変えても持ち越される課題でした。転職は、環境の問題は解決してくれますが、自分の問題は荷物ごと次の職場に運ばれます。

2回目の転職で失ったものを冷静に数えると、年収は下がり、積み上げた社内信用はゼロリセットされ、職歴には「1年半で退職」の行が増えました。得たものは、この教訓だけです。ただ、この教訓だけで元は取れたと今は思っています。


3回転職して残った判断基準は、3つだけ

転職本にはチェックリストが50個くらい載っていますが、実際に使えたのは3つでした。

基準①その不満は「会社を変えれば消える」種類のものか

紙に不満を全部書き出して、2つに分けます。

環境要因が主なら、転職は正しい選択です。自分要因が主なら、その課題は次の会社にもついてきます。2回目の私は、これを混同していました。「上司が嫌い」は、書き出してみれば自分要因の側だったんです。

基準②3年後の自分の職務経歴書を、先に書いてみる

いまの会社に3年いた場合の職務経歴書を、未来の日付で書いてみてください。

書ける内容が今とほとんど変わらないなら、それは辞めるサインです。逆に「この案件をやり切れば書ける行がある」なら、それを取ってから辞めたほうが、次の転職の弾になります。

私が3社目を選んだときは、この「3年後の経歴書に書ける行が増えるか」だけで判断しました。年収は2番目でした。結果的に、そこで積んだ経験が今の仕事の土台になっています。

基準③年収・スキル・人間関係、1つしか改善しないとしたらどれか

転職で3つ全部が良くなることは、ほぼありません。どれか1つ、よくて2つです。

だから先に優先順位を決めます。私のおすすめは、20代ならスキルを最優先にすることです。スキルが上がれば、年収も職場の選択肢も後からついてきます。逆に人間関係を最優先にした転職は、入社するまで実態が分からない以上、いちばんのギャンブルです。


数字の現実も、知っておいたほうがいい

体験談だけで押すのはフェアではないので、データも並べておきます。

つまりこういうことです。市場は追い風、ただし「3回目」からは説明責任が発生する。

3回の転職がバラバラの逃走に見えるか、一貫した線に見えるか。ここが分かれ目になります。


面接で「転職回数、多いですね」と言われたら

3回目の転職活動で、この質問には毎回こう答えていました。

「1社目で営業の基礎を、2社目で業界知識を身につけました。ただ、2社目は正直に言うと企業研究が浅いまま転職してしまい、ミスマッチがありました。その反省があるので、今回は◯◯という軸で御社を含めて選考を受けています」

ポイントは2つあります。3回を1本の線として語ること。そして失敗を認めることです。

失敗を隠して全部を美談にすると、面接官は見抜きます。逆に「2回目は失敗でした。だからこう変えました」と言える人は、自分を客観視できる人として通ります。実際、この答え方に変えてから書類落ちも面接落ちも目に見えて減りました。


それでも迷っている人へ

最後に、実務的な話を3つだけ。

「辞めたい」と思ってから2週間は何もしない。 感情のピークで出した結論は、だいたい外れます。2週間経ってもまだ辞めたいなら、それは本物です。

辞めてから探さない。 収入が止まると、焦りで基準が崩れます。在職中に基準①〜③を通してから動いてください。

転職しない結論も、立派な結論。 3年後の経歴書に書ける行がまだ残っているなら、それを取ってからのほうが、確実に高く売れます。


よくある質問

Q. 20代で転職3回は、やはり不利ですか?

選考でマイナスに見られる場面はあります。ただし不利になるのは回数そのものより、3回を説明できないことです。3社の経験を1本の線として語り、失敗した回はその反省と対策を添えると、書類・面接の通過率は変わります。

Q. 「上司が嫌い」という理由で辞めるのはダメですか?

不満を環境要因と自分要因に書き分けてください。ハラスメントや給与テーブルの天井のように自分の努力で変えられないものは環境要因で、転職は正しい選択です。一方で特定の人との相性は自分要因に入りやすく、会社を変えても似た問題が起きます。

Q. 辞めたい気持ちが強いとき、すぐ動いていいですか?

「辞めたい」と思ってから2週間は何もしないことをおすすめします。感情のピークで出した結論は外れやすいためです。2週間経っても同じ気持ちなら本物なので、在職したまま転職活動を始めてください。


まとめ

転職は逃げでも正解でもなく、ただの選択です。分けるのは回数ではなく、判断基準を持っているかどうか。私の3回分の授業料が、あなたの判断の足しになれば幸いです。


参考にした一次情報

本文中の数値は、以下の一次情報を参照しています(最終確認: 2026年8月16日)。


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この記事を書いた人: 白石 遼——20代で3回の転職を経験。キャリアと働き方をテーマに、失敗談を隠さない記事を書いています。